AdSenseを運用していると、「この広告ネットワークは表示回数が多いのに単価が低いな」と感じることはありませんか?
広告が表示されないよりはいいですが、できればもっと単価の高い広告を表示させたいと思う人は多いのではないでしょうか。
今回は、そうした低単価の広告ネットワークをブロックした場合に、AdSenseの単価(インプレッション収益)や広告表示数がどのように変化するのか、低単価広告のブロックが収益改善に繋がるのか、実際のデータで検証していきます。
低単価広告ネットワークのブロック
今回の検証では、このブログの過去データにおいて表示頻度が高いにもかかわらず、単価が低い傾向にあった広告ネットワークをブロックします。
- 左メニューの「レポート」をクリックします。
- 次に「Ad networks」を選択します。

- 左メニューから「コンテンツ > ブロックのコントロール」をクリックします
- 表示された画面で「広告ネットワークを管理」を選択します。
。 - 検索ボックスにブロックしたい広告ネットワークの名前を入力し、検索します。
- ブロックしたい広告ネットワークが表示されたら、そのステータスを変更します。
低単価・高表示頻度の条件を満たす、2つの広告ネットワークに着目しました。
表示回数 | インプレッション収益 | |
Baidu MediaGo | 1位(全体の2割強) | 全体平均の1/4 |
Criteo (JP) | 3位(全体の2割) | 全体平均の1/2 |
このうち、今回は特に単価が低かったBaidu MediaGoをブロックし、その後のAdSenseの単価と広告表示数の変化を検証しました。
ブロック前後での検証
ブロック前後で同日数・同曜日のデータを比較した結果は以下のようになりました。
- 全体の広告表示数: ほぼ変化なし(±5%未満)
- 全体の平均インプレッション収益: ほぼ変化なし(±5%未満)
この検証結果から、単価の低い広告ネットワークをブロックしても、必ずしも全体の収益増加には繋がらないと考えられます。
低単価の広告をブロックしても収益が上がらない理由
なぜ単価の低い広告をブロックしても、収益が向上しないのでしょうか?その理由は、AdSenseの広告表示の仕組みに深く関係しています。
AdSenseでは、広告が表示される際に、表示可能な広告の中から最も単価の高い広告が自動的に選ばれて表示されます。これは、広告枠ごとにリアルタイムでオークションが行われているイメージです。
今回の検証でBaidu MediaGoをブロックした結果、ブロックしなかったもう一つの低単価広告ネットワークであるCriteo (JP)に以下のような変化が見られました。
表示回数 | インプレッション収益 | |
Criteo (JP) | 8割増加(全体の3割半ば) | 2割弱の減少 |
この変化から推測できるのは、Baidu MediaGoが表示されていたであろう広告枠に、代わりにCriteo (JP) の広告が表示されるようになったということです。さらに、Criteo (JP) の単価が下がったのは、オークションの競争相手(Baidu MediaGo)がいなくなったことで、より低い単価の広告が表示されるようになったためと考えられます。
つまり、単価の低い広告ネットワークをブロックすると、そのブロックした広告ネットワークよりも少し単価の高い別の広告ネットワークの単価が下がる可能性が高いのです。結果として、全体の収益は期待したほど向上しない、あるいは横ばいとなるケースが多いと言えます。
まとめ
- 単価を上げる目的で特定の広告ネットワークをブロックすることは、むしろ逆効果になる可能性が高いです。AdSenseのシステム上、ブロックした枠に他の低単価広告が代替され、その単価が下がることで全体の収益改善に繋がりにくいと考えられます。
- もし広告内容の制限(特定の広告を表示させたくない場合など)を目的としてブロックを検討するのであれば、収益が低下するリスクも考慮した上で慎重に判断する必要があります。
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